「VIPPER＝共産主義者＝反自民」？ [ 2ちゃんねる ]

VIPPERとはニュー速VIP板の住民のこと。下は小学生から上は40・50代ぐらいまで。種々雑多の人間が渾然一体となって、様々な人間模様・ドラマが日々展開されている。2ちゃんねるの中でも、一二を争うほどの書き込み数である。

そして、そのVIPで面白かったスレをさらに見やすいように編纂して、紹介するというブログがあった。アクセス数も100万か200万だかを軽く超えていた。好評だった…ある一点を除いて。

このブログはアフィリエイトをやっていた。…と書いたら、特別なことをしていたかのように思うけど、アフィリエイトをやっていないブログの方が遙かに珍しい。そこはアクセス数が多いブログにまで成長したから、かなり儲かっていた。とは言っても、他のブログと比べてという話で、それだけのアクセス数があっても給料以上はなかなか貰えないだろう。

彼らの心理としては、一人だけ金儲けをして利潤を得ようなど不届き千万。みんなのレスはみんなのもの、VIPPERのスレはひろゆきのもの。ちゃんと全員、平等ではなければいけないではないかという感じなのだ。

平たく言えば『共産主義』である。辞書を引けば、「個人財産を否定し、生産手段や生産物をすべて共有する」こと。貧富の差がない社会を築こうというもの。一部の人間だけ儲けるのを敵視している思想である。

逆に『資本主義』とは、辞書を引くと「生産手段を持つ資本家が労働者から労働力を商品として買い、その労賃を上回る価値をもつ商品を生産することによって利潤を得る」経済体制のこと。

この資本家とは、今の場合、まとめブログの管理人である。労働者から労働力を商品として買ったとは言いがたいが、書き込み一人当たり労働賃金は皆無に等しい。実質0円の労賃から、わずかばかりのアフィリエイト代を稼いだことになる。その差額が価値である。その価値を商品として生産することができたのは、まとめブログの管理人の力であった。そう解釈したとしても、行きすぎた解釈ではないと思う。

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2ちゃんねるで起きた同じような共産主義的な事件で思い出すので、「のまネコ」問題がある。

海外アーティストO-Zoneの『Numa Numa』という楽曲で、一部が日本語に聞こえると言うことで話題になった。そして、その楽曲に合わせたFLASHの映像を作ったOLが一躍人気になった。その映像に出てくるネコのキャラが愛嬌があった。曲がノマノマ（飲ま飲ま）イェイと聞こえることから、「のま（飲ま）ネコ」と名付けられた。

その『Numa Numa』を日本で発売しているレーベルのAVEXが、その映像に目をつけた。ネット上、2ちゃん上でめっぽう盛り上がっていたことから、AVEXがそのネコのキャラの関連商品を出せば、儲かると考えた。実際、Tシャツなどかなりの関連商品が作られた。

AVEXは「のまネコ」の関連商品を他者が同じように出させないために、商標登録をした。「のまネコ」という名前も、同じく登録。これが2ちゃねらーを怒らせた。「のまネコ」は「モナー」」から派生したものだから、登録は許されない。みんなのものはみんなのもの、という訳だ。ただAVEXは訳の分からないことを宣い出した。「インスパイヤされたものだから、別個のキャラクターだ」と。2ちゃんの管理人のひろゆきが、今度は浜崎あゆみのロゴの「A」をそっくりそのままタコに見立てたキャラクターを登録すると言い出した。そして、泣く泣くAVEXは登録を取り下げた。

AVEXに抗議していたのは、VIPPERだけではなく2ちゃんねらーも多くいた。確かその対策本部とかは、VIP板だったような気はするが、細かいことは置いておく。

しかし大半の2ちゃんねらーは「モナー」を愛用していたのかも知れないが、「モナー」とは全く関係がない。彼らの行動原理はただ「AVEXに儲けさせたくない」という動機だけである。実際、あのままAVEXの行動に歯止めをかけなければ、自分たちは何か具体的な金銭的恩恵を被ることなく、ただただAVEXが儲けただけであった。むしろ2ちゃんねらーはAVEXに金を注ぎ込む側に回っていた。まあ自分たちがブームを作ったにも関わらず、後から出てきたAVEXに全ての恩恵が集中するのが悔しかっただけかも知れない。

そう考えると、ブームを作った2ちゃんねらーや、FLASH映像を作った片田舎のOLが労働力を生み出す労働者、AVEXが労働力を買い叩き、生産手段を持つ資本家ということになる。これが資本主義である。これが日本である。日本に生きていれば当たり前の流れである。つまり、2ちゃんねらーがAVEXに対して大規模な抗議活動を行ったことは、『反資本主義的行動』なのである。彼らの思想的な背景には、共産主義的な「貧富がない、みんな平等な社会を憧れている」血脈が確かに流れている。

あのまま「のまネコ」ブームが着実に広がれば、Tシャツなど関連商品を製造している中小零細の会社は潤っていたわけである。日本経済は微々たる範囲ではあろうが潤っていたのである。雇用が少なからず産まれたかも知れないのだ。しかし、共産主義的VIPPERの灼熱に燃え上がった真っ赤っかの怒りで、せっかく湧き始めた湧き水を蒸発させてしまった。



彼らは『共産主義者』と呼ばれることに否定するだろうが、別に自分はそのことについて責めている訳でもないし、否定しているわけでもない。ただこんな風に『反資本主義的』な側面を強烈に見せているくせにVIPPERは、一方では「チョンみたいなことしてんじゃねー」とか言って、たまにダウソ板に襲撃をかける。

ダウソ板とは、簡単に言えばファイル共有ソフトの「Share」や「Winny」のハッシュが貼られている板のこと。「Winny」や「Share」もこの板で産まれた。それも今や懐かしい過去。ここ2年あまり、新しいソフトは生まれていない…。主に、新作のDVDやコミックのハッシュが貼られる。目的としては第三者に真贋鑑定させることであったり、いち早く自分が新作ハッシュを見つけたことを報告し、それに対して礼賛されたいからであったり、単純にダウソ板に貼ることでより多くのユーザーにハッシュを登録させて、ブツを落としやすくさせたかったり、より長い間、そのブツを落とせるようにしたかったり、動機は様々である。

自分はファイル共有ソフトは、『共産主義』を実現させるための最高のソフトだと思っている。みんな、一銭の金も落とさずに自分が見たい聴きたいブツを落とせる。そこには貧富の差なんて一切ない平等なコミュニティが存在している。『資本主義』なんて糞食らえの世界である。

この板にVIPPER共は新スレを乱立させて、様々なジャンルのスレを流そうとする。まあ襲撃が落ち着いてから、新たにスレを立てれば済む話なんだけど、相反する背反的な行動を取っていると誰しもが思うはずである。

そして、『共産主義』国家の中国を非難したりもする。コピー商品が出回りまくっている中国を嘲笑すらする。法律も守れない国だと莫迦にする。『資本主義』国家である日本を見習えとすら宣う。アメリカ的『資本主義』を推し進める小泉や自民党を称賛すらし、実際に選挙で支持すら表明する。資本主義と相反する行動をしておきながら、自民党にはべったりなのだ。「こんな日本に生まれてきて良かった」とすら宣う莫迦な輩もいる。このことについて、自分はどう解釈すればいいのか解らない。



ましてや、この間、NHKや日テレが3万件も動画を削除させたYou Tube板に襲撃をかけたとかは聞かない。著作権侵害も甚だしい、資本主義を逆行しているYou Tubeを攻撃すらしない。ましてや、You Tube本体を攻撃しない。むしろそれをこぞって頻繁に利用している。自分でTV番組をエンコし、率先的に投稿する。そして、彼らを神のように崇める。

Live2chという専ブラなんて、You Tubeのリンクに対するサムネイルにも対応している。犯罪助長や反資本主義の売国的専ブラなんて、誰も非難すらしない。それを快適に利用するにはどうすれば良いか頭を必死にひねったりする。しかも、『資本主義』国家では当たり前の私的財産を守るという行動を取っているNHKや日テレを敵視したりする。NHKなぞ受信料で番組制作しておきながら、自分たちの著作権を主張するなど何様だという話だしな。



しかし、この違いはどこからくるんだろう…。

VIPPERは、『資本主義』を礼賛してるのか、その利益をちゃんと享受しているのか、はたまた忌み憎み、憎悪の感情を抱いているのか、全く分からない。一方では完全無欠のプライドを誇示していながら、他方ではそのプライドをかなぐり捨てている。一方では崇高な理念を掲げ、他方ではその崇高な理念を無価値なゴミのように粗雑に扱う。



ただ盛り上がりたいだけの莫迦なのか。それとも扇動されやすいワガママ人間なのか。薄っぺらい正義漢を振りかざしたいお年頃、青春真っ盛りのボーイ＆ガールなのか。もしくは、単なる気分屋なのか。健忘症なのか。ただ思想信条もない、攻撃するためだけに攻撃するだけのヤカラなのか。単なる為政者の操り人形なのか。思考停止状態のどこかの信者なのか。はたまたどこかの企業で雇われた工作員なのか。

まあ全てが含まれてるんだろうなw



で、結局この記事で何を言いたいんだろうかと考えると、 『共産主義』も悪くないということかな…。 「Share」や「Winny」で平等を享受しましょう。 富裕を保有している人間は、その財を下へと放流しましょう。 膨大な数のVIPPERも、積極的にその社会に参加しましょう。 堂々と、下手な糞のカスにもならないプライドなんて捨てましょう。 中途半端に『資本主義』を尊崇するのは止めましょう。 ってことですかねぇ。