自民党「核武装容認論」、それはただの「感情論」 [ テロ・国防・核・戦争 ]

15日、テレビ朝日の『サンデープロジェクト』で、自民党の酩酊政調会長こと中川昭一が「日本でも核武装容認すべきだ」と、そのための議論を活性化させるべきだと宣った。軽く笑わせてくれた。

しかし、歴代内閣が堅持してきた『非核三原則』は同時に堅持すべきであり、核兵器を持つべしという前提で議論しているのではないと強調。核兵器を持つつもりがないのであれば、何故『非核三原則』を放擲するための議論を進めるのか。どうして、良い大人がこんなトンチンカンなことを宣うのだろう。思考が混濁しているとしか思えない。どうやら、今日も軽く酩酊しておられるようだった。


日本がもし核武装すれば、当然近隣諸国である韓国や台湾も核武装する。北朝鮮の核の脅威に晒されているのは、日本だけではない。何故、日本だけが核武装を許されて、韓国や台湾などが保有できないのか。その明確な理由は誰にも説明できない。もし台湾が核武装すれば、中国との関係はまた緊迫した状態になるに違いない。こうなれば、北朝鮮の核実験・核武装云々どころではない。日本にとって、より顕著でより遙かに現実的な脅威となりうる。日本経済に与える影響も計り知れない。

世界や国連の潮流は、核不拡散の動きであることは間違いない。もし日本が核武装を容認してしまえば、その流れに逆行することになる。日本がその流れに逆行すれば、他の国もそれに追随することは間違いない。経済という武器がない発展途上国が発言力を保持するためには、北朝鮮のように核武装をしたがっている国は様々あるだろう。

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でも、日本が核武装してしまえば、在日米軍はどうなるのだろう。確かに、朝鮮戦争当時、在日米軍のおかげで共産圏の侵攻を食い止めることが出来たかも知れない。日本が核を持てば、アメリカの核の傘に入っている意味はなくなる。では、日本から完全に在日米軍を撤退させるのか？多分、否。日本政府は核だけではなく、まだまだ軍事力が足りない。頼らざるを得ないと宣うに違いない。だとしたら、アメリカの核の傘とはいったい何だったんだという話になる。

そもそも、日本のどこに核実験をするための土地や場所があるというのだろう。また沖縄に国防の全てのツケを押しつけるのか？それは論外だ。無人島と言っても、たかだか知れてる。日本国土と大して距離は離れていない島が殆どだろう。だとしたら、本土にあるある程度、大きな山を削って、そこで実験するしかない。日本はただでさえ国土が狭い。つまり、自分が住んでいる土地から何十kmしか離れていない場所で核実験が行われるのだ。

北朝鮮の核の脅威にビビってる国民が多いが、あくまで日本海を隔てた他国の土地だ。しかし、今度日本が行う場合、海すら隔てない目に見える範囲で核実験が行われるのだ。当然、放射能漏れの危険すらある。裸丸出しの原発が爆発するようなものだ。北朝鮮の核の脅威に対抗するために、日本国土で核の脅威に晒されるなど、それこそ本末転倒ではないか。いや、日本国民の国民性が原発を喜んで受け入れてるような体質であればいいんだが、実際は、沖縄に持ち込まれようとしているPAC3に断固反対している市民団体ヨロシク、物凄い住民の反対運動を行っているような国民性である。

で、根本的な疑問なのだが、日本が核武装して、どういうメリットがあるのだ？
日本は既にアメリカの核の傘に守られているのではないのか？
アメリカの核の傘は既に無力化され、全く役立たずになってしまったと言うことか？

そういえば、日本は核武装することで、国際的な発言力を増すという意見を聞いたことがある。では、どういう国に発言力を増すことが出来るのか教えて欲しい。今回の場合、果たして北朝鮮に対して、発言力を増すことが出来たのか？もちろん、否。現実問題、核武装しているアメリカや中国の言うことを全く聞いていない。日本が核武装したところで、何の発言力を北朝鮮に持てるというのだ。むしろ、北朝鮮をどうにかできるのは「金」や「体制保証（軍事的衝突の回避）」といったものだろう。今回の国連の北朝鮮制裁決議の議論で、制裁する側の核がどう効果的な働きをしたかを教えて欲しい。

まだ核ミサイルを迎撃するためのPAC3とかならまだ理解は示せるが、核ミサイルに核ミサイルで対抗するという話は聞いたことがない。核と核がぶつかり合ったら、それこそ甚大な被害が出るのではないか。

日本が核武装したからと言って、日本の国際的な発言力が増すわけではない。一気に何かが好転するわけがない。では、何のために核兵器を持つのだ。日本が核武装したからと言って、北朝鮮に狙われないようになるか。もちろん、これも否。何故なら、北朝鮮はアメリカに対して挑戦的な態度で、また標的にしようとしたりしてる。また核兵器を持とうとしている北朝鮮は、むしろ世界から標的にされているぐらいだ。


・非核武装＝攻撃される側
・核武装＝攻撃する側
という短絡的な構図が核武装容認論者の脳内では出来上がっているはずだと思う。これが俗に言う「核の抑止力」というものだと思う。しかし、自分たちが攻撃する側になったからといって、攻撃されないようになるか。もちろん、否。どうして、こういう短絡的な結論を抱けるか分からない。

攻撃する側と攻撃される側だけを考えれば、攻撃する側さえ攻撃する意思を持たなければ、軍事的衝突や戦争は、もしかしたら起きないかも知れない。

ただ「攻撃する側」と「攻撃する側」を少し考えてみれば分かることではないか。拳銃と拳銃をお互い突きつけているようなものである。この二人がお互いを殺そうとしないのか、その保証は誰も出来ない。相手を銃殺しようとする意思がなければ、何故相手に銃口を突きつけているのか、その説明は誰も出来ない。しかし、それはパフォーマンスで、実際に殺そうとしていないのだとか言いそうな人間もいそうである。

だとしたら、何故、アメリカや中国と同じように攻撃する側に立とうとしてる北朝鮮を責めるのか。道理に合わない。矛楯しているではないか。パフォーマンスだけならみんな保有していいはずである。何故、世界各国が北朝鮮を責めるのかと言えば、「核＝攻撃」だからである。

またお互いに銃口を突きつけ合うことは、お互いが雁字搦めに陥り、集中力が無くなった方が先に銃殺される。いわば、消耗戦の世界なのだ。自分が生きるか死ぬかだけに集中し、その他のことは全く眼中になくなる危険性もある。北朝鮮政府が困窮しきっている自国の人民を無視していることも好例だ。


しかし、そうなれば、みんなが核武装して、攻撃する側に立たなければ危ないと考えるのが関の山。むしろ、北朝鮮のようにアメリカに経済制裁されて、とにかく発言力や主導権を抱かなければいけないと考えた国は積極的に持とうとする。この積極的に核を持とうとする理由は、いくらでもこじつけようと思えばこじつけられる。つまり、どの国も核を持つことはできるし、攻撃する側に立つことも出来る。そして、みんなが核武装して、攻撃する側に立ってしまったら、抑止力も糞もない。むしろお互いの軍事的な緊張関係が増す一方である。


別に北朝鮮の核実験を擁護するつもりはない。ただ「非核三原則」を掲げている国が、核保有をするためには色々障壁が多い。そして、日本が失うものも多い。そもそも、得られるものが一切無い。

日本は核実験や核保有をしないからこそ、原発をすぐ作れるのではないか。イランや北朝鮮のように好戦的な国であれば、不透明な国であれば、国際的な非難があって然るべきだ。

非核武装論者と、核武装論者のどちらが感情的で、冷静ではないかは明白だ。


そういえば、安部は15日の衆院補選の演説で、「核武装は許さない」と北朝鮮を責める演説をしていたそうだ。中川の発言と激しく乖離しているが、中川昭一は「反安部」だったのか。これも酩酊状態だったための、不適切な発言だったのか。だとしたら、中川は国民に対して謝罪すべきである。国民を愚弄しているにも程がある。もしくは、安部の発言は大嘘だったと言うことか。だとしたら、安部は謝るべきである。

自民党は何故、こうもバラバラなのか。中川も安部も二世・世襲議員だからか？これで政権与党が務まってるなんて信じられないΣ(ﾟдﾟlll)ｶﾞｰﾝ

自民党は不正な団体から金を貰ったり、酔いどれのオッサンといった碌でもないカス議員しか集まってないのか？あー、プロレスラーがまだいたわw

自民党は核保有を叫ぶ前に、まず自党に有能な人材を確保された方がいいのでは？自分が言うのも何ですが、あとはモラルの確保も。